土地トラブルのおかげで設計がストップして、今までの間取りや、仕様を見直すいいきっかけになっている我が家です。
すべてが順調に進んでいたなら、今ごろ後悔だらけの家に住んでいたんだろうなと思います。このチャンスを生かすためにも、これまでの経験で得た教訓を書き記しておきたいと思います。
ゼロキューブを解約されて分かったこと
ゼロキューブが解約になった頃は、キッチンやお風呂も見て回り、設計も大詰めまで行っていました。なので規格住宅の良いところも悪いところもすべて身を持って理解できたと思います。そして今、我が家はゼロキューブをそもそも選ぶべきではなかったと感じています。その理由とどうしたら良かったのかという観点から家づくりをはじめる際に大事なことを3つに分けてまとめました。
1.自分はハウスメーカーが向いているのか、建築士事務所が向いているのか知る
まず、1つ目は、「建築士事務所は高い」「建築士事務所の敷居は高い」という固定概念があれば捨てるべき、ということです。
我が家の場合、どちらの誤解も持っていたので、我が家には遠い存在と勝手に建築士事務所を遠ざけていたと思います。なので、初めて家づくりで候補に上がったのも、CMで見たことがあり、敷居の低そうなレオハウス、タマホーム、ゼロキューブといったハウスメーカーでした。
建築士事務所は高いのではなく、高くもできるし安くもできる
建築士事務所にもいろいろあります。
高給取りのデザイナーが在籍していたり、高額な循環システムが必須だったり、国産木材をふんだんに使った家が自慢、といった建築士事務所はそれは高額になるでしょう。ですが、一般的な建築士事務所は施主の予算に合わせて、要望を聞いて提案をしてくれます。
建築士事務所とハウスメーカーの一番の違いは、価格ではなく時間
建築士事務所とハウスメーカーの一番の違いは価格ではなく時間です。
テンプレートをベースにし、施主の選択肢をせばめることでハウスメーカーは工期を短縮します。
一方、建築士事務所は、基本のベースはありますが、ゼロベースで自由に設計が可能です。
設備のしばりもなく柔軟さがあります。
価格で言えば、建築士事務所は広告費や人件費は少なく抑えられますが、年間棟数が少なく売上が少ないので1軒に対する利益額を上げる必要があります。ハウスメーカーの場合は、1件あたりの利益が少ないですが、棟数を稼いで売上を増やします。そのため、家の総額の構成の比率が両者には違いが出てきます。
ハウスメーカーの規格住宅を建築士事務所で建てる場合はハウスメーカーの方が安くなる可能性が高いですが、自由設計をしたい場合は、むしろハウスメーカーの方が高くなる可能性があります。
建築士事務所から逃げない
人間は楽な方に行ってしまう生き物とよく言われますが、家づくりでも言えるなぁとつくづく感じます。
我が家の場合がまさにそうで、間取りなど希望がたくさんあると知っていながら、ハウスメーカーの敷居の低さと営業マンの優しさから、建築会社選びの時点で建築士事務所は外されていました。もっと建築士事務所に興味を持って調べてみるべきでした。
確かに、建築士事務所の中にはプライドが高くとっつきにくそうなタイプもいらっしゃると思いますが、大半は物腰柔らかく優しい方が多かったです。
2.自分は自由設計がいいのか規格住宅がいいのか知る
ハウスメーカーでもある程度間取りは自由に作れますよね。
それを「自由設計」と呼ぶハウスメーカーの営業マンがいましたが「本当の自由設計」ではないです。「半自由設計」とでもいいましょうか。
「本当の自由設計」とは
最低限守らないといけない、設計や法律上のルール以外がすべて自由なのが「本当の自由設計」です。
ほとんどのハウスメーカーは、元々いくつか用意されているテンプレートパターンがあり、それをベースに設計していきます。そのテンプレートパターンは、外観デザインや構造、間取りはもちろん、キッチンやお風呂などの住宅設備の仕様だったり、建具の仕様も含まれます。
普通のハウスメーカーでは「本当の自由設計」は不可能といえます。建築士事務所でも「本当の自由設計」ができない建築士事務所もあると思いますが、「本当の自由設計」がいいならハウスメーカーよりは建築士事務所の方が向いているということになります。
これは、規格住宅が悪いということではなく、「自分がどこまで自由に希望を言いたいのか」をしっかりと把握してから、ハウスメーカーか建築会社を選ぶ必要があるということです。
坪単価で見積りを出されたらそれは規格住宅
ここでいう「坪単価」は 、基礎工事、排水工事、電気工事、お風呂やキッチンなど水回りの設備などすべてひっくるめて坪単価で見積もる場合の坪単価です。
規格住宅は仕様がほぼ決まっているので坪数で見積りがすぐに出ます。安く早く作れるのが規格住宅の最大のメリットでもあります。逆に、規格を大幅に変更して面積を増やしたい場合、規格住宅は高くなる場合があります。そういう場合はその規格住宅にこだわる必要はないかもしれません。規格住宅の場合は床面積を広げる場合は注意が必要です。
「本当の自由設計」は、木材や設計上のベースとなる部分の坪単価はありますが、その他は材料や工数から計算しますので見積りも時間がかかります。
ただ坪単価も、同じくらいの広さの家をハウスメーカーごとに坪単価から予算感をつかむという点では適しています。
3.「夢」を大事にする、妥協しない、左右されない
妥協するべき「今だけの嗜好品」、妥協してはいけない「昔からの夢」
見学会やモデルルームを見たり、おしゃれなカタログを見ていると魅力的な流行りのアイテムが載っていることがあります。取り入れたくなりますよね。家族の誰かが「どうしても欲しい」と言ったものは付けたくなるものです。その結果、誰かがどこかで「夢」を妥協してあきらめていることがあるかもしれません。
その「夢」をあきらめる場合、代替策がない場合、ほぼ確実に後悔するでしょう。後から「やっぱり付けておけばよかった」と言う可能性があります。それが少しでもあるならば、家族会議を開いて何かとトレードしてでもその「夢」を叶えるべきです。
逆に妥協できるものを優先してしまっていることもありました。何故か気づかないんですよね。そういうものは最後に余裕があれば採用するべきです。もしかしたら、最後には忘れている程度のものかもしれません。
施主の希望に難色を示してくる時はやりたくない時が多い
我が家は以下のような感じで建築会社に難色を示されされました。
なんで、気持ちよく「分かりました」と言わないのだろう?と不思議に思ったものです。
- ロフト作っても使いませんよ
- そんなにバルコニー広くしても使わないですよ
- 1Fのキッチンいります?
- 階段の手すりは両方いります?
- 窓をそんなに大きくすると強度が減りますよ(断熱性能が落ちますよ)
- お風呂はこの仕様外から選ぶとかなり金額が上がりますよ
本当におすすめしない時もあると思うのですが、めんどくさかったり、利益にならないのが理由で、そう言ってくる時があるように感じたことがありました。さいあくは高額な見積りを出してきたと感じたこともありました。
これは、一級建築士さんに聞いたら「そんな簡単なことなぜ?ぼったくりだ」と言っていましたからあながち当たっているのではないでしょうか。お風呂のメーカーも、ネットを見たら売価は30万円程度です。普通に考えたら差額は5万くらいで収まるはずです。でも、規格住宅のハウスメーカーは仕様外を選ばれるのを非常に嫌います。大人の事情もあるのでしょう。彼らは施主の思いよりも会社の事情の方が優先なのは忘れてはいけません。
強くすすめてくることがあるが折れてはいけない
設計士や営業マンに強くおすすめされると断るのが非常に気まずいことがあります。
本当に良いと思うものはまだいいのですが、微妙なものは困りますよね。
私もおすすめアイテムはいくつか採用しました。
それは、本当に良いと思ったのでそうしたのですが、おすすめされていなかったら、もっと他の良い選択肢もあったかもしれません。営業マンに気を使って、営業マンの笑顔をもらうために、それを優先して選んだのです。
営業マンはその時だけです。本当に微妙だと思ったものは丁重にお断りしないといけません。
「夢」は人に言われて妥協すると必ず後悔する
まとめ
以上、設計がストップして考える時間が多くなったのでつらつらと書いてしまいました。
これは、ゼロキューブの時に分かった非常に大切なことで、家づくり中の自分への戒めでもあります。
誰も最後まで読んでくれないかもしれませんがそれでも構いません。
最後まで読んで頂いた方、心からありがとうございます。
我が家は、2回目のチャンスが与えられて、今では本当にラッキーだと思っています。
一時は、すべての労力が無駄になったと落胆しましたが、今ならすべてが無駄じゃなかったと断言することができます。このチャンスを無駄にしないためにも、これを読んで頂いている方のためにも、この記事が役に立てれば幸いです。
我が家も2回目の家づくりは後悔0を目指したいと思います。
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