ローコスト住宅とは?ローコストハウス施主が定義を考えてみた

ローコストハウスとは?ローコスト住宅とは?

ローコスト住宅(ローコストハウス)とは、相場にくらべて安い価格の家のこと。坪単価では30~60万円台と言われることが多いです。

しかし、「相場」というのは流動的で個人の価値観もあり、ハウスメーカーや発信者によってもまちまち。ローコスト住宅の定義にはもっと客観的な基準がほしいところ。

というわけで、今回はローコスト住宅に住む施主の目線でローコスト住宅の定義を客観的な指標をつかって導き出したいと思います。それでは行ってみましょう!

目次

家の「ねだん」の基準とは?

日本で最も多い所得層が払える金額を基準にする

図8所得金額階級別にみた世帯数の相対度数分布
所得金額階級別にみた世帯数の相対度数分布(厚生労働省のページより)

こちらはワイドショーでおなじみの日本の世帯所得の分布をあらわしたグラフ。世帯なので夫婦で合計した所得金額ということになります。所得だと分かりにくいので収入に換算したのが下の表です。

世帯所得年収(天引き前)月収(年収÷12)月手取り月手取りの1/3月手取りの1/4
100~200万円160~300万円13~25万円10~20万円3~7万円2~5万円
200~300万円300~430万円25~35万円20~29万円7~10万円5~7万円
300~400万円430~560万円35~47万円29~39万円10~13万円7~10万円
400~500万円560~680万円47~57万円39~46万円13~15万円10~12万円
500~600万円680~790万円57~66万円46~53万円15~17万円12~14万円
年収・月収:MyKomon 年末調整用 給与所得計算より
手取り:ZEIMU 給与手取り額計算ツールより

これによると日本の世帯平均収入は一番下の「680~790万円」。これに対し、日本で最も多い所得層はそれから半値の「300~430万円」。多くのサラリーマンが入るこの層こそローコストハウスが必要な層だと考えます。

というわけで、このブログではこの日本で最も多い「世帯所得200~300万円」でも建てられる家を基準にしたいと思います。

もちろん我が家もこの層です!

ローコストハウスの住宅ローン金額

「世帯所得200~300万円」で借りられる住宅ローンの金額とは?

これを見ると「世帯所得200~300万円」は、「世帯年収300~430万円」「月手取り20~29万円」ということがわかります。

家賃の支払い額は手取りの1/3までが良いといわれますので、この場合だと住宅ローンの毎月の支払い額のMAX値は単純計算で「月7~10万円」となります。ちなみに、頭金、ボーナス払いはなしで計算しています。

できれば月手取りの1/4くらいにしたいですけどね~

「月7~10万円」で借りられる住宅ローンの金額

価格コムの住宅ローンのシミュレーションから、「月7~10万円」で借りられる住宅ローンの金額の最安値がこちら。(借入期間35年、全期間固定金利(フラット35)、金利1.4% – 2022年7月時点)

毎月の支払い年収(天引き前)
3万円約1,000万円
4万円約1,350万円
5万円約1,700万円
6万円約2,000万円
7万円約2,400万円
8万円約2,700万円
9万円約3,050万円
10万円約3,400万円
11万円約3,700万円
12万円約4,200万円
13万円約4,300万円
価格コム住宅ローンシミュレーターより

これから、「月7~10万円」で借りられる住宅ローンの金額はMAX3,400万円という金額が導き出されました。(金利の種類や時期によって日々変わるので現状と比べて調整が必要)

「世帯所得200~300万円」で借りられる住宅ローンの最大金額(目安):3,400万円

ちなみに我が家の住宅ローン借入額は2700万円でした。

ローコストハウスの家の広さ(延床面積)

ローコストハウスといっても家の広さ(延床面積)を狭くしたら安くなるのは当たり前です。なので家の広さは全国平均と同じに設定したいと思います。

全国平均住宅広さ2018
住宅金融支援機構 住宅面積(㎡)より

こちらはフラット35利用者の平均値の資料。これによると住宅面積は「112.2㎡」となっていました。これを使わせていただくことに。

ローコストハウスの広さ(延床面積):「110㎡(約33坪)」

我が家も「109㎡」なので、ほぼ同じ面積です

余談ですが、家の広さにはコスト的にちょうど良い家の広さがあります。↓こちらの記事で紹介しているのでよかったら参考にしてください。

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ローコストハウスの土地の価格(住宅ローン計算用)

ローコストハウスの価格に土地の価格は関係ないと言われそうですが、住宅ローンの総額を見積もるために土地の価格が必要なので何卒ご了承ください。

というわけで同じ資料の「全国平均の土地取得費」をチェックしておきたいと思います。

全国平均土地の値段2018
住宅金融支援機構 土地取得費(円)

これによると土地取得費「1,335.1万円」となっていました。こちらを採用したいと思います。

ローコストハウスの土地の価格の目安(住宅ローン計算用):1,400万円

我が家は田舎なのでもっと安かった

ローコストハウスの家の価格

それでは早速、ローコストハウスの家の価格を計算してみましょう。(各値は前回の記事より)

  • 住宅ローン最大金額:3,400万円
  • 土地の価格:1.400万円
  • ローコストハウスの家の価格:( 3,400万円 ー 1,400万円 )= 2,000万円(税抜き 1,818万円)

というわけで、ローコストハウスの家の価格は以下のように定義したいと思います。

ローコストハウスの家の価格:2,000万円(税抜き 1,818万円)

家の価格は、実際に払える最大金額ですからすべて含む必要があります。別途工事にされがちな給排水や足場代、ゴミ処分費用なども含みます。

どうでしょう?イメージと近いですか?

ローコストハウスの坪単価とは?

ローコストハウスとセットで頻繁に登場する「坪単価」。1坪いくらで家が建てられる?が分かる便利なアレですね。

ただ、ハウスメーカーによってルールが統一されていなかったり、ルールが不透明だったりするので、坪単価の比較は非常に難しいです。

それをふまえた上で、「ローコストハウスの坪単価」を出しておきたいと思います。坪単価に含まないその他諸経費は300万円とします(300万円の根拠は我が家のざっくり金額です)

  • 家の広さ:110㎡(約33坪)
  • 家の価格:2,000万円(税抜き 1,818万円)
  • 諸経費(坪単価に含まない金額):300万円(税込み)
  • 坪単価:( 2,000万円 ー 300万円 ) / 33 = 52万円(税抜き 47万円)

これより、ローコストハウスの坪単価は以下となりました。

ローコストハウスの坪単価:52万円以下(税抜き 47万円)

相場とくらべても妥当な金額になっている気がします!

ローコストハウスの仕様や性能

補足事項として、仕様や性能についても。

家の仕様(床、屋根、外壁、住宅設備などなど)に関しては、ローコストハウスはグレードが低いものを採用されがちですが、ハウスメーカーによっては局所的に高性能な仕様を標準にしているところもあります。そのため基準をつくるのは難しそう。

というわけで、ローコストハウスの仕様は「特になし」としたいと思います。

性能については、法令に遵守されている点だけ条件に入れたいと思います。現代は、ちゃんとした工務店なら最低レベルでも高気密高断熱の住み心地の良い家にしてくれるはずです。

ちなみに、家の性能に関する法律は以下の3つ

  • 建築基準法
  • 建築物省エネ法
  • 品確法

詳しい話は、こちらページ(外部サイト)がとても分かりやすかったです。ご参考までに。

ローコストハウスの定義

以上のことから、当ブログのローコストハウスの定義の材料が出そろいました。最後にローコストハウスの定義をまとめて終わりにしたいと思います。

「世帯所得200~300万円」でも建てられるローコストハウスの定義がこちら!

ローコストハウスの定義
  • 日本のもっとも多い世帯(世帯所得200~300万円)が建てられる家
  • 家の広さは日本全国平均と同じ110㎡程度(約33坪)
  • ローコストハウスは家だけを対象とする(土地や外構は含まない)
  • 家の予算は2,000万円以下(税込み)
  • 坪単価の目安は52万円以下(税込み)
  • 家の仕様や性能は最低限の法令に遵守していることのみ

※お住まいのエリアや世界情勢、材料費や燃料費、世帯年収の状況など、さまざまな要因で変わってくるのでその都度調整は必要です

まとめ

いかがでしたでしょうか?あなたにとってもローコストハウスとくらべてどれくらい一致していたでしょうか?家にまつわる要素、法律や材料費、燃料費、人件費は、時代の影響をもろに受けます。ローコストハウスをめざす我が家にとっても目がはなせません。

以上、施主目線のローコストハウスの定義(我が家流)でした。

ローコストハウスをうたっている我が家ですが、今後はこれを根拠に「ローコストハウス」と名乗ります

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